「是正勧告書」とは？
「是正勧告書」とは、事業場が労働基準監督官の調査を受けた際、法令違反に該当すると判断した事項を確認した場合に、即時または一定の期間を期限に指定して改善を求めるために交付する文書をいいます。
その場合、労働基準監督官は、事業主に違反事項を説明し、是正勧告書を交付する際には、受領者に受領年月日、受領者のサインの記載と押印を求めます。
是正勧告書には、違反事項と根拠条文、是正期日が記載されていますので、期日までに是正を行なった上で、是正報告書を提出する必要があります。
是正勧告書に対して不服があり、法令違反はないと考える場合は、必ずしもすべての内容に従う義務はありませんので、会社としての姿勢を明確にした上で、誠意を持ってその旨を労働基準監督署に説明することになります。
ただし、悪質な法令違反が発生していたり、明確な法令違反であるにも関わらず、事業主に改善の意思が見られない場合には、労働基準監督官によって送検手続きが行なわれることがありますので、注意する必要があります。
「指導票」とは？
「指導票」とは、明確な法令違反ではないものの、調査を行なった労働基準監督官が改善することが望ましいと判断した事項について、指導内容を記載した書面のことをいいます。
指導票に記載された内容は義務ではありませんが、会社としての姿勢を明確にした上で、是正報告書に準じた形で報告する必要があります。
「是正報告書」とは？
「是正報告書」とは、是正勧告書や指導票で指摘された事項について、具体的な是正内容をまとめた上で、指定された期日までに労働基準監督署に報告する書類のことをいいます。
労働基準監督署は、提出された是正報告書によって、事業所の改善状況を判断し、今後の指導方針を見きわめることになります。
是正報告書には、違反（指導）事項、是正報告内容、是正完了年月日等を記載します。