「名ばかり管理職」とは?


「名ばかり管理職」とは、実質的にはほとんど権限を与えられていないにも関わらず、「店長」「課長」といった肩書だけをつけて管理職として取り扱っていることをいいます。


労働基準法では、原則として、労働者を
18時間、週40時間を超えて働かせてはならず、その時間を超えて残業をさせる場合は、36協定を締結して届出をした上で、割増賃金を支払うことが義務とされています。


ただし、「管理監督者」については、休憩および休日に関する規定から適用除外されるため、残業をしても割増賃金を支払う必要がありません(労働基準法第41条第2号)。



これは、「管理監督者」は経営者と一体的な立場にあり、労働時間の枠にとらわれずに働かなければならない重い責任と権限を与えられ、それに相応する賃金や待遇を受けているという考え方に基づいています。


ところが、割増賃金を払わないための名目として、肩書だけが「店長」「課長」と称しても、実際にはほとんど権限を与えられていない人たちについても、強引に「管理監督者」と位置づけようとして、法律上の義務を免れようとするケースが多発しています。


特に最近では、外食産業や小売業等を中心に、この問題についての労使トラブルが頻発しており、訴訟にまで発展するケースも顕著になってきています。