嘱託、契約社員の就業規則
年金の支給開始年齢の引き上げや高齢者の就業意欲の高まりにより、定年後も引き続き会社で仕事を続けることを望む方が増えてきています。
そういった方たちの多くは、嘱託や契約社員という形態で、定年によっていったん会社との雇用契約が終了した後、再雇用されるのが一般的です。
人手不足に悩む業界や会社が多い中、長年会社に貢献してきた定年退職者を再雇用することは、会社の技術やノウハウを伝承し、生産性を維持する観点からもメリットが大きいことから、今後はますます嘱託や契約社員の方が増えてくるものと思われます。
定年後の再雇用者については、長年の会社との結びつきを受け継ぎつつも、いったん定年退職の上で新たな雇用契約を交わすことになることから、会社との新たな取り決めを明確にする意味で就業規則の規定が重要になってきます。
特に、退職金の取り扱い、再雇用後の賃金、有給休暇の取り扱い、就業時間、服務規律などについては、曖昧な部分がないよう、具体的に就業規則上に明記する必要があります。
通常は、別規則として嘱託規程や契約社員就業規則を作成し、適用する嘱託や契約社員の範囲を明確にした上で、正社員とは別個のルールを運用していくことになります。
嘱託や契約社員に適用される就業規則が存在しないと、正社員用の就業規則が、嘱託や契約社員の方にも適用されることになりますので、注意が必要です。
定年後の高齢者の方を積極的に活用したり、労働条件を改善したりした場合には、ケースによっては助成金の対象となることもありますので、就業規則の作成や改正によって労働条件を整備される際には、受けられる助成金がないか検討してみてもよいでしょう。
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