就業規則は、単に法律上必要だという理由のみで、作成するべきではありません。いうまでもないことですが、それによって従業員が働きやすくなり、同時に会社の経営にもプラスになるものでなければ意味がありません。
それでは、会社も従業員もトクをする就業規則を作るためには、どうしたらいいのでしょうか?
ズバリ、会社と従業員、それぞれが求めているものに、真正面から対応した就業規則にする必要があります。
従業員は、就業規則に何を求めますか?
第一に「安心」、第二に「やりがい」です。
まずは、勤務体系や給料のもらい方のルールが明確であり、会社が与えてくれる福利厚生がはっきりしていること。
そして、頑張って仕事で結果を出したときの見返りがはっきりしていること。
会社は、就業規則に求めますか?
第一に「リスク・マネジメント」、第二に「従業員のモチベーション向上」です。
まずは、会社がリスク管理を行なう上でのルールを明確にし、従業員との間でトラブルが起こったときの対応にも万全を期すこと。
そして、従業員に権限を与え、成果を正当に評価することにより、従業員のやる気を引き出し、業績向上を目指すこと。
これらの従業員と会社の双方のニーズに対して、しっかりと対応できる明確な仕組みが構築できてこそ、はじめて就業規則が経営を後押しする威力が発揮されます。
就業規則は、ただ単に法律で決められたルールを羅列するだけでは、最低限の労働条件の確認以上の意味はないのです。